優しい愛で溶かされて



「山下さんが僕のOJTをして下さると聞きました。会社の案内、もしよかったら今お願いできますか?」


私の様子を伺うような、そんな優しい口ぶりだった。


「あっ、はい。案内しますね」


ちょうど朝の会議に出席する必要もなくなったし。いい気分転換にもなるから何気にありがたい話だ。私にとってもいい機会だし、ゆっくり案内してあげよう。


二人でオフィスを出て、少し離れたエレベーターへ向かう。エレベーターを待っている間、後ろを通る社員たちからなぜかやたらとこちらに視線を感じた。経験したことの無い出来事に、私はハッとする。


____みんな一之瀬さんを見てるんだ…。


横目でチラッと盗み見る。たしかに彼はとても端正な顔立ちをしている。スっと鼻筋の通った高い鼻、奥二重の涼し気な目は長い睫毛で縁取られている。顔に余白がなく、立体的なその横顔はまるで美そのもの。ここまでフェイスラインが綺麗な人いる?芸能人?



「…僕の顔になにかついてます?」

「え?!いや、なにも…」


バレないように盗み見ていたつもりがめちゃくちゃバレていたらしい。気まずい。