【短編】冷酷な旦那様が恋に落ちたのは、離婚を申し出た花嫁でした。


「……私で良ければぜひ、お願いいたします」


「うん。食事する部屋で待ってる。ゆっくり準備してから来い」



私の了承の返事に満足したのか満面の笑みを浮かべる旦那様。


朝から刺激的なことが多すぎて私の心臓は爆発寸前だ。何事もなく朝食が終われば良いのだが、積もる話とはなんだろう。


旦那様の背中を見送りながらそんなことを考える。


襖をしめ、朝食に向かうために朝の支度を始めた。



「美味いか?」


「は、はい!とても!」



朝食の部屋で旦那様と2人並んで過ごすこの時間は。


とても緊張して、味なんか分からなかった。