「お、おはようございます」
「おはよう。朝から悪いな。今日は話があるから早く雅の顔を見たかった。朝食、まだだろう?良ければ一緒にどうだ?積もる話もあるからな」
正座をして頭を下げる私は、旦那様の朝食のお誘い、朝の挨拶、そして……名前呼び。今まで無かった出来事が一気に押し寄せて来て。
頭の中は混乱していた。
「わ、私がご一緒してもよろしいのでしょうか?」
旦那様と食事を共にすること自体が無かった私は不安になって質問する。
「言いも何も。雅は私の妻だろう?食事くらい一緒にするのが当たり前だ。……まぁ、誘ったのも食事をするのも今回が初めてだが」
照れくさそうにそっぽをむく。
その事になぜだか胸が無性に苦しくなって幸せな気持ちになった。



