あの頃、キミが全てだった。




「これじゃ、本当に合わせる顔がないよ……」



そう言いながら地面に崩れ落ちてしまう。


変に強がって、自爆してバカみたい………



「ちゃんと謝らないと!」


そう思いながら急いで教室を目指して走る。




…ガラガラッ。


「雫!!」

「皐月…」



教室に入ったかみたか、大好きな人が私の名前を呼んでくれて、



「心配させんな、戻ってこなかったらと思うと生きた心地しなかった……良かった…」


いつもいつも、怒るでしょ?と思う場面で優しく包んでくれる皐月に、私は、、私は、、、。



「皐月…さっきは本当にごめんね、色々考えすぎちゃってて自分見失ってた」


うまく言葉にできてるか分からないけど、精一杯伝える。


「はは、なんだよ、それ、八つ当たりってこと?ま、気にしてないからさ、今から頑張るぞ!売り上げも今3位みたいだから、1位目指すぞー!はい、手伝って!」



満面の笑みを見せながら、ボールと泡立て器を渡してくる皐月に、


「そうとなれば、全力でやるよー!!張り切っちゃうから!」


そう言いながら厨房へと足を進める。