あの頃、キミが全てだった。




ドンッ。



「おっと、」「大丈夫??」



ぶつかった人に声をかけて、固まってしまう。


だって……


…皐月に告白していた女の子だったから。




その女の子は、私を見て、


「あの?ぶつかって痛かった?ごめんね、」


そう謝ってくれる。


この子が皐月の………


「あ、いいえ、えっと、皐月の彼女さんかな?こっちこそごめんなさい!」


そう頭を下げながら謝れば、


「えっと…それは誤解だよ、誰に言われたのか知らないけど、私、振られたから、それじゃあ」


そう言って、吹っ切れたように笑って去っていった。



私は、またもや唖然としてしまう。



…待って?!全部私の勘違いだってこと?!!



それで皐月にあんなひどいことばかり言って、逃げてしまった。