あの頃、キミが全てだった。




今のはなんだったんだろう………


ぼーっとする私に、皐月は、



「なにしてだよ、1人で危ねぇだろ」


そう言って、手を繋いでくれる。


皐月の温もり………。

手に触れるのはあの縁日の日から2度目。




これがまるで2人だけの秘密のようで。


私の心はいとも簡単に飛び跳ねる。



簡単に私の手を取って繋ぐその手に皐月は、なんの感情もないのに、、。



そう切なくなりながらも、


「皐月、助かった、ありがとう。」


私はお礼を言った。



「…助けるのは当たり前だろ」


そう真剣に言うものだから、


「そうだよね、困ってる人を助けるのは当たり前だよね」




私を助けてくれたのは、紛れもなく困ってたから、ただそれだけなのに、