あの頃、キミが全てだった。




「皐月!!」


「皐月ー」


必死で人混みをかき分けながら探してみるけど、全然見つけることができない。



皐月が行きそうな場所は………



音楽室だ!


そう思って音楽室の前まで来た。



「居ますように………」


そう願いながらドアを開けようとすると、




「皐月くんが大好きなの!!」


「嬉しいなぁ、、」


「皐月くん………」


皐月と女の子の会話が聞こえて来て。


…バタバタバタッ。


ダッシュで音楽室を後にした。




………ハァハァハァ。


息を整えながらもさっきのことを思い出す。


皐月は嬉しかったの…?!


皐月もその人のことが好きだったんだ………。



私のことなんとも思ってないことくらいわかっていたはずなのに、勝手にヘコんで、ぶつかって………



あれ……涙が………泣きたくもないのに、

止まることを知らずにどんどん溢れてくる。