そして、俺の声を合図にしたかのように、君は困ったように笑って。

「…なんてね!ごめんねふう、今日、エイプリルフールだよ?そこまで本気にされちゃうと、困っちゃうなあ」

…ああなんだ、そうなのか。

たしかに、今日はエイプリルフールだった。そりゃそうだ、君みたいに可愛い子が俺を好きだなんてありえない。

悔しいかな、君の嘘すら愛おしい。惚れた弱みだ。

でも、今は耐えきれない。

「…あ、ね。そういうこと。さすがにびびったわ」

なんとか絞り出した言葉。君の顔を見て、へらりと笑ってみせる。

「…うん、!ほんとごめん、こんないたずらやめとけばよかったね」

…。困ったように眉を下げ、うるうると目を揺らす君。

なんでそんなに可愛いんだ。いっそ、嫌ってしまいたい。