…ポタ。ポタポタ。

静まり返った教室。机に涙が落ち、染みていく。

やっぱり、言えなかった。嘘だと、言ってしまった。

本当なのに。

''エイプリルフールの嘘は、午前中のみらしいよ。''

午後4時半。西日が差しこんで、涙が滲んで、眩しい。

いつか貴方が言っていたうんちく。聞き流していたけれど、今日はそれに便乗したんだよ。

なんて、いまさらか。

楓汰は、私の嘘だ、という言葉を信じきった様子だった。

もう、どうにもできない。

誰もいない教室でただ、泣き続けていた。