帰る気にもなれなくて、校門の影、大きな桜の下に座り込む。

まだ人は多く、連れ立って帰っていく人がちらほら。

…たしかこの前。つい、この間、俺は君に伝えたはず。

''エイプリルフールの嘘は、午前中のみらしいよ。''

そのとき君は、なんて言ったっけ。

''そーなの?!初耳!じゃあ、夕方に嘘っぽく本当を言ってみよっかなあー''

そう、笑って言っていたはず。

あれは、なんだったんだろう。

もしかして、…。いや、あるわけないか。いまだに期待を捨てきれない自分に嫌気が差す。