「ただいま」


「あら、優希。早かったわね。雨大丈夫だった?」


家に帰ると、リビングからひょこっとお母さんが顔を出してきた。



「うん、気にしないで」


私はそう言うけど、お母さんは眉をハの字にして心配する。


「ホントに、大丈夫?辛そうな顔してるけど、風邪ひいてない?」


「……気にしなくていいよ!」


「……うん、ごめんね」


私がそう声を荒げると、お母さんは悲しそうな顔をしてリビングに戻って行った。


そんな顔してほしかったわけじゃーーーー。


あ。


大地もお母さんみたいな気持ちだったのかな。


……相手の気持ちがわからず、苦しむ気持ち。


私、大地に謝りにいかなきゃ。


ちょっとひとひねりしてね。