「その代わり、君のお願いをひとつきく。僕にできることならなんでも…」
おお…なんでも…か…
じゃあ…
「友達になってほしい‼︎」
「だれと?」
「星くんと‼︎」
「ぼく⁈」
あかねはコクリとうなずく。
「そんなんでいいの?」
「星くんみたいな人と仲良くなれることってほとんどないもん!」
宇宙人の友達とか、貴重すぎる…
それにUFOつき…
いろいろ教えてほしい…
「だから、星くんのこと、協力するし秘密にするよ!」
「本当?ありがとう」
わ…そんなに素直に感謝を言われると、恥ずかしい…
そういえば、教室の窓から見えてたあの光ってもしかして…
いやもしかしなくても、星くんのUFO…
「あの、UFOもっと、しっかり隠したほうがいいと思う…実は、今日、教室の窓から光が見えてて…」
「見えてたの⁈」
「このUFOは、作業している時だけ、光を発するんだ。いつもは、作業中だけ光がついてるんだけど、今日は間違えてタイマー設定にしてしまって…」
すごい…タイマー設定とかあるのか…UFOに。
あかねが色々思っているうちに、星くんはUFOに近づいていき、羽型のドアを上にスライドして開けて、中のたくさんあるボタンの中のひとつを押した。
すると、光が消えてゆくと同時になんと、UFOがみるみる小さくなっていったのだ。
光がほぼ消えた時、ミニカーくらいに小さくなった。
その小さくなったUFOを星くんは、ひょいっと手のひらにのせた。
「電源切ると、こんな感じ。」
もう、UFOはおもちゃにしかみえないくらい小さい。
「すごい…」
「これだったら、絶対バレないね」
あかねは星くんの手のひらにあるUFOを目をまん丸くして見ながら言った。
「ごめん、余計なお世話だったよね…」
「そんなことないよ‼︎あかねさんが本当に僕に協力しようとしてくれてるのを感じて、嬉しかった」
「…それに、僕は今日みたいにうっかりすることもあるし…」
「じゃあ、その時は2人でなんとかする!」
「ふふ。頼もしいな」
星くんは微笑んだ。
夜空の星の位置が、家を出た時から大分変わっている。
いつのまにか、かなり時間がたっているようだ。
「私、そろそろ、帰らなきゃ…」
「そっか…じゃあ、また明日学校でね」
星くんは、まだ、UFOの作業があるようだ。