なんだか、今日は朝から遅刻するし、朝礼で注意されちゃうし、テストはやばいし、ちょっと疲れたなぁ…
そう思いながら、日課の夜の散歩をする。
いちおう、ダイエットのためにしている。
ランニングは、初っ端からハードルが高かったのでウォーキングから始めることにした。
しかし、あかねの住んでいるところは、田舎なこともあり、夜は星がよく見える。
天体観測を兼ねた夜の散歩だ。
内心UFOが見えないか少し期待している。
いつも、あかねはきらら丘まで歩く。
あれ、誰かがこんな時間に歩いている…珍しい…
誰だろ…
街灯に照らされ、その顔があらわになる。
え!星くんだ!
こんな時間にどうしたんだろう…
星くんは近くの草むらをかき分ける。
そして木々の間から、星くんの背よりも大きな物体をずるずると引っ張って取り出した。
ま、眩しい…
その物体は、水蒸気ともに、夜だと言うのに、銀色に眩しく発光している。あまりにも強い光で、物体の周りが白く輝いて見える。
形は麦わら帽子のよう。てっぺんにはアンテナのようなものがあり、側面には小窓がついていた。
こんなもの今まで見たことない…
それは…まるで…UFOだった。
あかねは、驚きと興奮で胸がドキドキしている。
何なの…これは…
学校の窓から見えた、きらら丘でキラッと光るもの…
これは、このUFOらしき物体に間違いない…
もっと近くで見たい…
そっと近寄ろうとする。
パキッ
あかねは足元にあった小枝を踏んでしまい、小枝が折れた音があたりにひびいた。
星くんが目を見張ってあかねの方を見る。
「えっと…同じクラスの人だよね?」
かなり戸惑っているようにみえる。
「は、はい。佐藤あかねです」
そのかなりUFOと酷似しているその物体はなんなのだろう。聞きたい…けど、星くんからは聞かないでほしいオーラが出ている…
でも、気になる‼︎
だって、ずっと夢見てた実際のUFOかもしれないんだよ⁈
あかねは思い切って聞いた。
「あの…それって何?」
「……これは…えっと……」
答えが待ちきれずに聞いてしまう。
「もしかしてUFO⁈」
星くんが肩をビクッと震わせた。
しばらくして星くんが口を開いた。
「………そうだよ」
「‼︎‼︎」