その日の、4限。授業でテストがあった。

あらかじめ、課題を出され、その中から出題される形式のテストで今日転校してきた星くんには、少し不利だ。

先生はできる範囲でいいから、と一言添えて、星くんにテストを渡した。



しかし、テスト後。

「今回のテストで成績トップは、星くんだ」

ええ〜っ、すご‼︎
ざわめく一同。

星くんに勉強教えてほしーと女子だけでなく、男子まで言っていた。


みんなが、星くんへ驚きの目を向ける中1人だけムスッとしているのは、やはり真希。

今までは、真希がこのクラスの成績トップだったからなぁ…あかねは、隣の席の真希を横目で見る。


「何見てんだよ‼︎どうせお前、ろくでもない点数とってんだろ」


さっと、あかねは手元のテストを真希に取られる。

悲惨なことにあかねは、40点であった。


それを見て真希は
「ほんとに、ろくでもないじゃん」
と笑う。


どこまで嫌なやつなんだ、コイツは…
やること、小学生じゃん…



それに対して星くんって、完璧な王子様って感じだなぁ…
真希みたいに、外面王子じゃなくて、ほんとに王子って感じ…


でも、星くんってなんか、変わってる。

直感的にあかねはそう思った。

気のせいかもしれないけど…

「いや〜、星くん大人気だねぇ〜」
星くんを遠目に見ながら話しかけてくるみつき。

「うん、でもなんか変わってるよね」

「そう?」

「いや、なんか、人間離れしてるっていうか…」


ん…視線を感じる…
あの、長身で色白のイケメンは…
星くんだ‼︎

うわ、絶対気づかれてるよ…


「そういえば、今日のドラマ、最終回だよね‼︎」
星くんの視線に気づいたあかねは、むりくり、話を変えた。
みつきは、一瞬、不思議そうな顔をしたがすぐに状況を理解しドラマに話は移った。