朝から、洗濯しながら、朝食 お弁当作り
なかなか起きない男共(旦那と息子)を起こし、朝ごはんを促し、お弁当を持たせ送り出す。

散らかった残飯を頬張りながら、洗濯を干し洗い物を済ませ10時ぐらいにやっと寛ぐ。

これが専業主婦の日課である。

テレビは付いているが、ラジオ風に流しているだけで、ほぼ観ていない。スマホを片手に地味にしている箱庭ゲームをログインしゲームを始めた。

キコーン!
LINE通知だ。誰だろ?

ママ友の香澄さんからだ。なんだろ…。

(おはよー!陽君ママ?今日のお昼暇?ランチしない?)

[いいよ。どこにする?]

(海沿いにパスタ屋さんができたから行こうよ!予約しておくから!12時半でいい?)

[いいよ。予約ありがとう!じゃ、12時半ね]

時間は11時を過ぎていた。

急いで夕飯の肉を冷凍からおろし、下準備をして服を着替え、薄化粧をし家を出た。

車を運転しながら、お気に入りの歌を口ずさんだ。

水沢 瑞希 42歳 専業主婦
結婚17年目 夫は同級生


夫とは高校一年からの付き合いで、お互い就職をしてからも付かず離れずの友人関係をしていた。お互いの 付き合っている人の話など、なんでも話せる仲であった。
お互いの性格や、価値観が似ている所もあり、友達関係5年 交際2年で結婚した。
結婚して17年 たまに些細な喧嘩はあるが、息抜きのランチに行けるなど、不自由のない生活を過ごせてもらっている。


目的のレストランに到着!
12:20 丁度いい時間だ。
車から降りると店の入り口付近に香澄さんが居た。

『陽君ママこっち!』
元気に手招きしている。

香澄さんとは同い年。息子が幼稚の時に知り合ったママ友だ。旦那さんは、開業医!檀れい似のセレブママだか、気取らない性格で、一緒に居ても楽しく、お互いの子供が大きくなっても付き合いが続いている。

(おまたせ!やっぱ混んでるね)
店の前には列ができている。

『大丈夫!予約してあるから、すぐに呼ばれるよ』
すると、すぐに呼ばれ席に案内された。

(あの時間に予約して良く取れたね?)

『ふふふっ。後で教えてあげるね。』
意味深な笑みをして微笑んだ。


メニューを選び注文をした。

(ねぇ?なに?何教えてくれるの?)

『まあまあ、そう急ぎなさんな!笑 それよりさ、最近、陽ママ息抜きってしてる?』

(してるよ!ほら、こうしてランチに来てるし。)

『違うわよ!こんなの息抜きじゃないわよ!』『これはだだのお喋りよ』

(じゃあ、香澄さんの言う息抜きって?)

『ふっふっふ…』
不適な笑みを浮かべた。

(なに?怖い怖い!なんかあるの?)

『実は彼氏できたんだぁ〜!』

(えっ?はい?どういう意味?)

『そのまんまだよ!ここのオーナーが彼氏なんだよ。だから、入れたの!』

(はい?なんで?いつから?どこで知り合ったの?)
矢継ぎ早に質問した。

『ちょ、ちょっと待って!ちゃんと話すから!』
お水を一口飲んでから語り出した。

『ちょうど 1年前に萌ママ覚えている?』

(覚えているよ!キョンキョン似のママでしょ?)

『そう!その萌ママと偶然エステで会ったのよ!で、そのエステ帰りにね、本当に若さを保ちたいなら、ホルモン分泌が1番よ!って言われた訳。』

(それと、彼氏どう関係あるわけ?)

『それで、萌ママが、利用している出会い系を教えてもらったのよ!』

(はぁ…出会い系ですか?………。で?)

『そこで、今の彼氏に出会ったわけよ!』

(いやいやいや、待て待て待て!いろいろツッコミどころ満載で何から言っていいのか笑)
(よし、まずさ、相手は既婚者ってわかってるの?)

『YES!』

(何歳?)

『38』

(独身?)

『YES!』

(いつから?)

『1か月前』

おいおい!マジか!最近ホヤホヤじゃねーか!

(最後まで シタの?)

『YES!当たり前よ!』

(バレないわけ?ってかバレてないの?)

『だって、旦那 夜勤ばっかだし!それに、長くシテないからねー。旦那とは』

(それは…うちもそうだけど…。そこから、なんでそうなるの?大体から、マッチングとかって、既婚者登録できないんじゃないの?顔写メとかいるんでしょ?)

『良く知ってるじゃん!まぁ、うちも開業してるしさ、身バレしたら困るから嫌厭していたんだけど、めんどくさい登録なしの、写メなし、年代自由のアプリを、教えてもらったわけよ。だから、登録はデタラメでも大丈夫だし!無料だし、手軽なわけよ。』

(いやいやいや、いくら無料とかさ、身バレないからって…怖くないわけ?今、事件とか多いじゃん!)

『最初はね。だけど、めちゃくちゃ申請来るし、マヒしてくるのよ笑』
ケタケタ笑いながら話している。

『それに、やり方次第なわけよ。距離感がわからない奴らが、事件になるわけで、ちゃんと話しをして、ルールさえ2人で決めれば大丈夫なわけよ』

(ルールねぇ…。)(で、どうするの?一緒になるの?)

『君の頭は石化か!今の生活捨ててなんてあるわけないじゃん!息抜きにデートしたり、ラブラブしたりするのよ! 一緒になるとかは、別の話!重すぎるわ!これはこれ!それはそれ!割り切らないと!』

…………。唖然としなった。

『君も若い男に触れられなさい!女性ホルモンドバドバでるかさ!』

絶句した。あまりの短絡的な考えについていけなかった。

『それよりさ、お願いあるんだけど!』

(えっ?なになになに?怖い怖い)

『陽君ママ、昔カウンセラーみたいなのんしてたじゃん!』

(カウンセラーじゃないけどね。保健センターの相談ね)

『そうそう、その女の子達の相談を聴いてあげてほしいわけよ!』

(なんでよ?)

『だってさ、話聴く飲んで上手いじゃん!結構深刻な子が多くてさ。だから、そのアプリ教えるから相談処してあげてよ!』

(えーっ!やだよー!絶対やだ!)

『お願い!ね?』

(なんでよ?赤の他人じゃん!なんでそんな一生懸命になるわけ?理由あるの?)

少し、口を濁しながら話始めた。

『実は、一回若い子に詐欺受けたんだよ。だけど、大事になる前に、その子が助けてくれてね、まぁ、成敗みたい感じで解決してくれたわけよ!で、そこから、その女の子は、被害が出る前に女の子を助ける場を作ろうと立ち上げたのね、グループLINEを。だけど、その子も、気持ちがあっても寄り添い方が下手なわけ。だから、サポートしてあげてほしいの!』

(えーっ!マジやだ!めんどくさい!している暇ないよ)

『家事の合間でいいから!お願い!ここ奢るし!恩返ししたいのよ!』

ゴリ押しに負けてしまい、受ける事になった。

話が濃すぎて、注文したカルボナーラは干からびていた。