遼河を好きで気に入られたい女の子なんかたくさんいるんだから。




…………そんな遼河に好きになってもらえてる愛花先輩はすごい。


でも遼河に似合うくらい愛花先輩も魅力的だし。それは分かってるから。 


………まあ、2人ならお似合いだよね。



遼河にとって私はただの幼なじみ。



小さい頃からできた線は越えられない。

よく、遼河と幼なじみで羨ましいって言われるけど。



私からしたら目の前にいる女の子達の方が羨ましい。
だって恋愛対象に入るんだから。






もう、何回も感じたモヤモヤは女の子に囲まれている遼河を見てるとさらに広がる。


はぁ〜。


貸す必要のない筆記用具を直して外を眺める。


「瑠莉〜。」

「なに。」



女の子達は?

きっとたくさん借りれたんじゃない?


モヤモヤの嫉妬のせいで返事がそっけなくなってしまう。



「シャーペンと消しゴム貸してくんない?」




…………え?



「さっき、いろんな子から貸してもらえそうなところ見たけど?」

「あんなにいろんな子から貸してもらったって誰のを取ればいいのか分かんないし!?

瑠莉のがいい。」

「…………っ。」




ずるい……………。




ずるいよ、りょう。



そんなあからさまに



───── 特別扱いしないでよ。


いや、分かってる。幼なじみの私だから私に借りに来たんだって。