「あー、最悪!
筆箱忘れたわ。」



翌日、いつも通りに2人で登校して来て遼河は私の斜め後ろの席についた時、ボソッと呟いた。


筆箱?

1番大事なやつじゃん……………。



貸してあげようと、鉛筆と消しゴムを取り出して遼河に渡そうとした。



「え〜!沢上くん、筆箱忘れたの!?
私貸してあげるよ。」

「ありが「私も!」「私も!!」「私の使って!」



次々と女子が出てきて遼河に貸すために多くの文房具を手にしている。



遼河はモテるから……………。


遼河は小さい頃からずっとモテていた。
女にも男にも。


それもそう。
だって、顔はめっちゃイケメンだし、明るくて気さくで喋りやすいし。


小学生の頃からずっと同じクラスが多くて側で過ごしているけど一日に告白がないなんてことはない。



絶対1日に1回はあるってほどモテモテ。



…………告白されても愛しの愛花先輩がいるから断ってるみたいだけど。



ていうかこんなに貸してくれるっていう女の子がいたら困らないだろうな。
逆に誰のを借りればいいか迷うんじゃない?