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「あぁ〜!今、愛花先輩なにしてんだろ!」
叫ぶように言う遼河をじっーとみつめる。
……もう小さい頃の約束なんて遼河は忘れてるよね。
だって、愛花先輩っていう夢中になってる好きな人がいるんだから。
「って、るり電柱!!」
「ぇ……、わっ!」
目の前には電柱が。
ぶつかる!
「危ない!」
痛みを覚悟して目をつぶった。
けどいつまで経っても痛みは襲って来なくて代わりにファッと横から抱きしめられたような感覚がして、そっと目を開ける。
「ほーんと、小さい頃からずっと、どこか抜けてるよな。」
「え…………?」
目を開けると視界いっぱいに遼河の顔がドアップで映る。
「わぁ!」
理解した途端、抱きしめられているこの状況に顔に熱が集まる。
「るり………?」
顔を赤くした私を不思議そうに見ている。
遼河を好きになってからはずっとこんな風に些細なことでも恥ずかしくなっちゃう。
あぁ〜!もう!

