怖いよっ。いやっ、あっちに行って。



シッシッと手を振るけど犬はこっちをジッと見て唸るばかり。



「ぐすっ、ぐすっ、やぁだ……っ。

りょうぅ。」



とうとう大声で泣きそうになった時



「るり!!!」



遼河の声が聞こえて、それだけで少しだけ肩の力が抜けた。



「だいじょうぶ!?

こらっ、おまえるりを泣かせるな!
シッシッ!!」



私を見つけた遼河が私を庇うように立って犬を追い払ってくれて。




「ぅぅ〜。」


泣いてる私に寄り添ってくれた。



「おれもっと早くみつけれたらよかったのに。
もう大丈夫、ほらだいじょうぶ!」



なかなか泣き止まない私の背中を泣き止むまでさすってくれて。


そして、優しい純粋で無邪気な笑顔で言ってくれたんだ。





「おれがるりをまもるから!
いつでもどこにいても見つけるから、るりもなんかあったらすぐおれに教えて?」

「うん!」

「約束!」



「ゆびきりげんまん嘘ついたら針千本のーますっ!ゆびきった!」





その時からだったかな。

まだ幼い私がだんだんと遼河を見てドキドキするようになったり、他の女の子と仲良くして欲しくないって思ったりしたのは。



初恋だった。
あの時から遼河に恋したんだ。