「そっかー。まぁ諦めないけど。」
諦めない?
そこまでする意味が分からず固まっていると
「ねぇ今日放課後空いてる?」
今日の放課後は乃亜のお見舞いに行こうと思ってた。
ノートも渡したいし。
「空いてない。ごめんね。」
「なんで?」
なんでそんなことまで聞いてくるの?
きちんとフッたのに遠慮なく踏み込んでくる高咲くんに少し苛立ちながらも言う。
「友達のお見舞い。」
「へぇー。それって乃亜の?」
ぇ!?なんで乃亜のこと知ってるの!?
「乃亜のこと知ってるの?」
「うん。いとこ。
今日、風邪ひいたって聞いて学校も休んでるから乃亜のお見舞いかなーって思って。」
いとこ?
乃亜、こんなイケメンのいとこいたんだ。
「そう。乃亜のお見舞いに行く。
だから放課後、空いてない。じゃあ。」
なんだかお手洗いにも行く気が失せて教室に戻ろうと高咲くんに背中を向けると横に並んできて
「俺も一緒に行く!
だから一緒に行こう?俺も乃亜のこと心配だし!それよりももっと瑠莉ちゃんとたくさん話したい!」
「はぁー。」
なんでこうなる…………。
でも高咲くんも乃亜が心配って言ってる手前、無理とは言えなくて首を縦にふる。
「やったぁ。じゃ、放課後ね!」
なんなの、高咲くん………。
教室に戻るまで趣味や、好きなタイプや、色々なことを聞かれ続けた。
みんなからは見られるし、
なんだか一気に疲れが溜まった気がした。

