遼河がフラれて1週間が経った。
遼河はまだ引きずってるのか、それとも周りに気を遣わせないために笑顔でいるのか普段通りだった。
大丈夫かなーって注意深く見てるんだけど意外と大丈夫っぽい。
「ねぇねぇ!今日転校生来るらしいよ。」
朝、余裕をもって登校してから席に座ってゆっくりしていると前の紗奈ちゃんがキラキラした目で話しかけてきた。
「え、そうなの?」
「うんうん!まじまじ!噂ではイケメンだとか!」
「へぇ〜?」
この転校生か………。
しかもこの時期に転校なんて中途半端だなぁ。
「どうしよう!超イケメンだったら!
あぁー紗奈、イケメンと恋愛してみたい!」
キラキラした目でうっとりしてる紗奈ちゃんを見つめているとチャイムがなった。
…………今日、乃亜休み!?
どうしたんだろう?
風邪かな?
乃亜はチャイムがなっても登校してくる気配はなく、こっそりと先生に見つからないように机の下でスマホを触る。
"体調悪いの?"
大丈夫?のスタンプと一緒に送信。
すると1分もしないうちに返信がきて、
"風邪ひいて地獄だよぉ〜"
や、やっぱり風邪?
大丈夫かな?
"やっぱり風邪?!お世話してくれる人いるんだよね?"
"いるー!ありがとう"
"良かったお大事に!ノートは任せて!"
放課後、ノートとなんか食べやすいもの持っていってあげよう。
ビシッとパンダが敬礼しているスタンプを押してスマホをしまったところで先生が来た。
「もうみんな知ってると思うが転校生だ。」