「りょう〜!ほらこっち!」



生まれた時から一緒で家も隣の私、小桜瑠莉(こざくら るり)と遼河はよく近所の公園に行っては遊んでいた。


あれは小学生1年生の時だったっけな。




「かくれんぼしよう!」


幼い頃の私は隠れるのも得意だし、探すのも大好きだった。
だからかくれんぼなんて遊びは何回やっても飽きなかった。



「え〜、またかよー。
おれ、鬼ごっこがいい!」

「やだ!
るり、走るの遅いもん。」




走るのが得意で運動神経がいい遼河とは違って私は走るのが苦手で運動神経も悪く他の子が鬼ごっこをしている間、その中に混ざることが出来なかった。


だから、遼河を誘ってよくかくれんぼをやっていた。



「仕方ないなぁー。」



そんな私に遼河はなんだかんだ文句を言いながらも付き合ってくれて、2人で毎日一回はかくれんぼをする。



「もぅー、いーかいー!」

「もーいぃーよ!」



ちょうど遼河からは見えない道路の近くの茂みに隠れていた。



これで見つからない!



楽しくてワクワクして必死で探す遼河を笑っていた時だった。



「ヴゥ〜、ワン!ワンッ!」


突然犬が走って来た。
その犬は私の方に向かってきて何故か威嚇している。


「わっ!!」



噛みつかれるかもしれない。

どんどん迫ってくる犬に焦りと恐怖は増していく。


「いやぁっ、いやっ!」


周りには誰もいなくて怖くて怖くて、尻もちをついて涙が溢れた。