いた。
「りょう。」
そっと後ろから声をかけると遼河はチラリとこちらを向いてまた下を向いて言った。
「フラれた。」
「そっか。」
ボソッと言った遼河の声は聞こえにくかったけど静まり返った夜の公園には大きいほどだった。
遼河の横に座ってさっき、ここに来る前に買ったオレンジジュースを渡す。
「…………俺のことは後輩としてしか見れないんだって。
じゃあこれから見てほしいって言ったら恋愛対象には見れないって。
きっと好きな子いるんだろうな。
愛花先輩は優しいから、はっきり言わなかっただけで。」
スズッと鼻を啜る音が響く。
そっか。
「好きだった。
大好きだった。どうしようもなく好きでたまらなかった。」
背中を撫でながら頷くことしかできない。
「俺じゃ、ダメだったみたい。
まあ、確かに俺なんかが愛花先輩と付き合えるわけないしな。」
弱々しく笑った。
そんな…………
「そんなことない。
先輩には遼河の良さが伝わらなかったけど遼河のいいところはたくさんあるんだよ。」
「好きな子に伝わらなかったら意味ない。」
遼河の良さは私が1番知ってる。
自分を否定しちゃダメ。
私じゃダメ?
先輩が遼河がフッたのなら先輩は遼河を笑顔にできないなら………。
私だったら遼河を必ず幸せにする。
「───── 好きだよ。」
「…………え?」
…………いま、なんていった?
ハッとして口を手で覆う。
っ。
好きって言った?
ど、どうしよう。何で言っちゃうの私。
ほら遼河もすごくびっくりして固まってる。
「るり、今なん「っなんてね!うそー!」
フラれる ───── 、そんなことは分かっていた。

