「おい。ギリギリだぞ。
余裕をもって席に着くように。」

「すみません。」




遼河は5時間目の授業が始まるギリギリの時間に戻って来た。



だけど、なんか元気ない…………?

もしかして振られた?
いやいや、ないよね。先輩も好きそうだったし。

でも、てっきり笑顔で来るのかと思っていたら………。


やっぱりフラれたの?



考えながらチラッと遼河を見てみれば暗い顔をしてうわの空だ。



……………フラれたのなら私にもチャンスある?




なんて考えてしまった自分に嫌気が指す。


遼河に幸せになってほしいって思ったくせに。
それなのに先輩が遼河をフッたのなら私がって思っちゃうなんて。




でもまだフラれたって決まったわけじゃない。
もしかしたら付き合えたけどなにかあって元気がないだけかもしれない。

授業が終わったら聞いてみよう。








そう思ったのに遼河は休み時間のたびにどこか行って話す暇なんてなかった。