「どうしたの、瑠莉。泣きそうな顔して。
体調悪い?」
ウキウキしている遼河を見つめながら1人座っていると乃亜が心配そうな顔して言った。
「なんでもないよ?………大丈夫!」
「本当に?」
「うん!」
「そっか。何かあったらなんでも相談してね?
私は瑠莉の味方だから。」
乃亜…………。
ありがとう。
本当にいい親友を持った。
感謝の気持ちを込めて精一杯の笑顔を見せる。
大丈夫だよ、って。
「ねぇ、瑠莉!そういえばね?
ずっと後ろに虫をいるんだけど分かってる?」
む、虫!?
えっ、え、やだ!
「ど、どこ!?ついてないよね!?」
「なーんてね!うっそー!」
「…………はい?」
「瑠莉さん?今日エイプリルフールですよ?」
え…………………?
あっ!てことは今日4月1日だ!
「騙されたぁ!」
虫がいるなんて嘘に!
「ははっ、瑠莉本気でびっくりしてんだもん。超面白かった!」
「っ〜。もぅ!」
まんまと乃亜の嘘に騙されてしまったけど、その嘘のおかげで曇ってた心が少しだけ晴れたような気がした。