「でな、愛花先輩ね超かわいくてこの間も馬鹿みたいに眩しい笑顔で───── 」



うん。



「───── しかも美人なのに気取ってないしすごく性格いいんだよなぁ〜。」



そっか。



「いいところなんて少しの時間で言い切れないぐらい好き。」 




……………好き。


やっぱり勝ち目ない。


相槌を打ちながらも鋭い痛みが胸を駆け抜ける。



私の目の前で目を輝かせて一生懸命話してくるのは幼なじみの沢上遼河(さわがみ りょうが)。

遼河、通称りょうは3年の愛花先輩のことが好き。



「そんなに好きなら告白してみればいいじゃん。」



なんて、思ってもないことを平然と言ってみる。


「んー、告白ね……………。
するつもりではいるけどまだあともう少し仲良くなってからかなぁ?
もっと距離縮めてぜってー、オッケーもらう!」



真剣な顔で、でもどこかワクワクして輝いている笑顔を見ながらも私の胸はズキズキと切ない痛みは止まらないまま。



なんで、りょうの好きな人が私じゃないんだろう。
なんで、りょうは愛花先輩しか見ないんだろう。
なんで…………?



私の方が愛花先輩よりもずっと遼河のこと知ってるのに…………。






私は誰よりも小さい頃から遼河のことが好きだったのに───── 。









片想いに区切りをつけれないまま、
遼河には好きな人が出来た。