それとも、今のように気まずいまま……?

……そんなの、嫌。

「一条、私……っ!」

覚悟を決めて前を歩く一条の腕を掴むと、

掴んでいない、反対の手が私の手を掴む。

驚いて顔を上げると、夕日に反射して顔が赤く

なった一条と目が合う。

「待って、俺から先に言う」

「へ……?」

戸惑う私をよそに、私の手を掴む手により

一層力を込めて一条が口を開く。

「氷室、好きだ」