「これで和樹くんもイチコロね」

「い、イチコロ……?殺しちゃうの?」

お姉ちゃんの言葉に身震いした私に、お姉

ちゃんは初めてみるものを見るような目で

私を見つめる。

「……生意気な妹だと思ってたら案外ピュア

なのね」

……も、もう、さっきからお姉ちゃんが何を

言っているのかわからない……。

「あ、もう時間じゃない?」

「う、うそっ⁉︎」

慌てて腕につけていた時計を確認すると、

もう家を出る二分前になっていた。