「お姉ちゃん……これはさすがに……」

後ろに立って髪を結ってくれているお姉

ちゃんに

そう言うと、えー?と言いながら鏡を覗き

こむ。

今日は四月一日。

エイプリルフールだ。

私から一条に今日会えないか聞くつもりが、

なぜか一条も同じ提案をしてきて、

流されるまま私は一条とデートをする

ことになった。

だから、デートに相応しい格好をお姉ちゃん

に決めてもらっているのだけど……。

「なぁに、可愛いじゃない」

「そ、そうなんだけど……可愛すぎるって

言うか」

鏡の中にいる私は、ほんのりとピンクベース

のメイクが施されていて、髪も普段はしない

少し毛先が巻かれたハーフアップ。

服もお姉ちゃんが貸してくれて、春らしい

お花柄のワンピース。

普段は出さないからか、露出した足がスースー

するのを感じる。