先生、それは✗✗です…!

卒業生でにぎわう体育館前とは違って、人気のない静まり返った校舎。

わたしの足音だけが響く。


そして、【3年1組】とプレートがかかった教室へ。


「…きたか」


そこでは、黒のスーツを着た鳥羽先生が待っていた。

その姿に、思わずにやけてしまう。


「卒業式のときからずっと思ってましたけど…、スーツも似合いますね」

「だろ?」


得意げな顔をする鳥羽先生。


そんな鳥羽先生が、ふと両手を大きく広げた。

わたしは首をかしげる。


「こいよ、日南」


先生がそう言うものだから、わたしは先生の胸に向かって飛びついた。

と同時に、先生がぎゅっと抱きしめてくれる。


「卒業おめでとう」

「先生、ありがとうございます」


わたしたちは見つめ合うと、どちらからともなくそっとキスをした。