先生、それは✗✗です…!

――すると。


あれ…?

…軽い。


なぜだか、保冷バッグが朝持ってきたときよりも軽くなっているような気がした。

慌てて中を確認してみると、おかずもごはんもすべてなくなっていた。


――まるで、だれかが食べたような。


わたしは鳥羽先生のところへ向かった。


校舎裏で、花壇の花に水やりをしている先生を見つける。


「と…鳥羽先生…!」


急いで走ってきたから息が上がる。


「どうした、日南。そんなに慌てて」

「あの…、もしかして…お弁当――」

「おお、食べたぞ。うまかった」


その言葉に、わたしは不覚にもときめいてしまった。


「…でも、いつの間に」

「お前らが5限の体育をしてる間に、教室で。盗み食いってやつだな」


そう言って、笑ってみせる鳥羽先生。


鳥羽先生が…わたしのお弁当を食べてくれた。