先生、それは✗✗です…!

みんな、どれもおいしそう。


そんな完璧すぎるお弁当と比べたら、わたしのなんて…とてもじゃないけど見せられない。

卵焼きは焦げてるし、全体的に茶色いし。


ネットにアップされていた、『男の人が好きなお弁当』というタイトルのクッキング動画を真似て作ってみたけど――。

完成形が…動画のものとはまったく違った。


…作ってこなきゃよかった。


心底そう思った。


「…日南。もしかして、それ…」


先生が、わたしが持っていた保冷バッグに気づく。


「な…、なんでもありません…!」


結局わたしは、お弁当を渡すことなく教室へ逃げ帰ってきてしまった。



お昼休み明けの5限の体育の授業は、ため息ばかりしていた。


そうして、今日も何事もなく学校が終わった。

わたしは帰ろうと、机の横にかけていた保冷バッグに手を伸ばした。