「…食われてる!?」


乱れた髪を直しながら、丸くした目を先生に向ける。

そんなわたしを見て、クスッと笑う鳥羽先生。


「日南。体調よくなったら、戻ってこいよ」

「…はい」

「それと、よく知りもしねぇ男にキスなんかするなよ」

「そっ…、それは――!」


…したけど。


それだけ言うと、鳥羽先生はベッドを囲うカーテンを閉めて保健室から出ていった。



この間一夜をともにした男の人が、…なんとわたしのクラスの新しい担任。


今年が最後の高校生活。

これまで以上にうんと楽しもうと思っていたのに――。


…これからどうなっちゃうの、わたし。