旅行のプランはすっかり固まった頃。

もう太陽は傾きつつあった。

楽しい時間は、過ぎるのが早い。


1日目と最終日に観光を詰め込み、2日目はホテルでゆっくり過ごすのだ。

そのために、露天風呂付き客室にしてある。

どちらからともなく、唇を重ねた。

「当日、寂しくなると思うから、たくさん甘えちゃうかも。

いいよね?麗眞」

「それ言われて、断らない男いないよ?

当日は、椎菜の身体の隅々まで堪能させてね?

向こうでも椎菜のこと思い出せるくらい、椎菜の全てを記憶に刻んでおきたい」

サラリと言われた言葉に、顔が赤くなる。

「こんな感じ?」

私は、麗眞の手を取ると、着ている白ニットの隙間から、膨らみに触れさせた。

「ったく、可愛すぎて困る。

俺をどうしたいわけ?

俺が満足するまで止めないからな。

もう話し合いも終わったんだ。

これからは、椎菜を味わう時間にしていいんだよね?」

私を見下ろす彼の瞳は、すでに男の色気を帯びていた。


チョコレートより甘くて濃厚な時間が、今始まる。

私をいつもサポートしてくれて、ちゃんと欲しい言葉をくれる大切な麗眞に。

ハッピーバレンタイン。