「おおー!
美冬ちゃん、いらっしゃい!

クリスマスのプレゼント、ありがとうね。

ネックウォーマーと手袋、ロケ先で使わせてもらってるよ。
おかげで、トレードマークみたいになってね。

新人にも覚えてもらいやすいんだ。

プレゼントのセンスが良い彼女を持てて、賢人は幸せ者だな。

もう大人なんだし、籍入れてもいいんだぞ」

「親父。
美冬をあんまりからかうなよ。

美冬のアナウンサー生命に影響しないように、時期は考えないとマズイからな」

賢人はそう言ってから、オノケンさんの近くで何かを伝えた。

そのやり取りが終わると、私は忘れまいと、オノケンさんにもチョコサンドクッキーを渡した。

「手作りのセンスもいいんだな。

ありがとう。

後で味わって食べるよ。

賢人を通じて、何かクリスマスプレゼントと今回のクッキーの分、何かしらお返しはするよ。

それに、大学入学のお祝いもまだだったしな」

「いいんです。

保証人にもなっていただいてますし、
賢人さんを通じて、家賃や生活費の援助までしていただいて。

これ以上、ご迷惑をおかけするわけにはいきません。

まだ正式には、家族ではない、わけですし」