黒田先輩の隠し事

『でも、、、』

彼女が僕の前にしゃがみこむ。

目が合ってしまった。

こんなボロボロの顔を見られたくないのに。

『初めて会ったけど私はあなたのこと嫌いじゃないかな』

その時、月の明かりに照らされた彼女は笑ってた。

誰も愛してくれなかった自分に初めてかけられたその言葉は心の奥深くにしみて色をつける。

ああ、誰かを好きになるってこんな感覚なんだな。

その時、初めて身に余るような感情を抱いた。

本当に幸せだ。




『五十嵐』という名はもういらない。






夏の夕暮れ、クーラーがきいた生徒会室に一人。

そこにいるのは生徒会長である私の彼氏。

そして学校のトップに君臨する元総長。

なんてことはもう知る余地もない。