黒田先輩の隠し事

私が興味津々で聞くも、またもや冷静に、穏やかに「ごめん、知らないかな」と言って置いてあったプリントに目をやった。

その時の黒田先輩の方は陰になっていたからか、暗い表情をしているように見えた。

これ以上聞かない方がいい。

心の中でそう思って、「ごめんなさい」と謝った。

すると黒田先輩はまた光を取り戻したかのようにカーテン越しの日光に照らされてにっこりと微笑む。

心臓を撫で下ろして少し椅子を後ろに引いた。

その後は何も話さない。

ただチクタク、チクタクと時計の秒針の音と外の運動部の声や吹奏楽部の楽器の音色が聞こえるだけ。

ここだけは別世界のように穏やかな時間が流れていて、時計はもう5時過ぎを指してる。

1秒また1秒と時間が過ぎ去っていくように、黒田先輩もどんどん仕事を片付けていく。