「僕と付き合ってください」

高校一年の夏、人生で初めて告白された。

セミの声が聞こえるとても暑い日で先輩の顔は太陽に照らされていた。

彼の肌は驚くほど白く透き通っていて、それと対照に真っ黒の美しい髪がサラサラとなびいている。

眉目秀麗というのはこの人のためにある言葉かのように美しい見た目。

眩しくて目を引かれて、話したこともないのに「はい」と答えてしまった。

彼は何者なのだろう。

そんな疑問を抱えていると彼、黒田連夜先輩は成績優秀な生徒会長だということを知った。

そんな人と付き合えて毎日幸せで、私の生活に色を与えてくれる。

私みたいな、地味でさえない女子に告白したのが唯一の疑問だったが。

ある日の放課後、そんな私に舞い込んできたある話した。

「五十嵐が総長を降りたって話知ってます？」

放課後はいつも生徒会室に二人でいる。

黒田先輩との秘密の時間のようで正直、好きだ。

わたしはいつもの生徒会長の席の隣に座ってただ彼を見ている。

今まで一度もこんな険悪な空気になったことなんてなかったのに。