ただの道具屋の娘ですが、世界を救った勇者様と同居生活を始めます。~予知夢のお告げにより、勇者様から溺愛されています~

 グリシナ村の小さな教会には、『元・勇者』の結婚を一目見ようと多くの客が集まった。

 祝いに駆け付けたピノ達小人や、プラドで出会った行商人の姿も見える。竜達は二人の結婚を祝福するようにグリシナ村の空を舞い、カメリアは魔法で花火を打ち上げ、光の粒を撒き散らした。

「こんなグリシナ村は初めてじゃ……」

 あまりの光景に、村長が手を合わせて拝み始めた。
 武器屋のシリオも宿屋のオリバも、晴れやかな顔で空を見上げている。

 多くの参列者の前で二人が永遠の愛を誓い合うと、皆からは大きな歓声が沸き上がった。
 歓声を合図としたように、空からは沢山の花びらが舞い降りる。

「これは……?」
「姿は見えないけれど、きっとこれは妖精達のしわざだよ。以前、妖精の国を助けた時に仲良くなって」

 なんとラウレルは、妖精達とも友人となっていたようだ。

「私、まだまだ知らないことばかりだわ……」

 これからも彼と一緒に、広い世界を知っていきたい。
 どうか教えてほしい。一生をかけて。

 鳴り止まぬ歓声と降り注ぐ花びらを浴びながら、二人はこれ以上無い幸せに包まれたのだった────