ただの道具屋の娘ですが、世界を救った勇者様と同居生活を始めます。~予知夢のお告げにより、勇者様から溺愛されています~

 商人達の輪を抜けて二人きりになってから、ラウレルが教えてくれた。

「以前、プラド近くに出現したモンスターを討伐したことがあったのですよ」

 商売の街プラドは、言わずもがな商人達の要所である。
 しかし以前、プラドへ通ずる草原にモンスターが巣食い、行商人が襲われる事件が多発したのだった。

 草原には危険が伴い、行商人達は足止めをくらう。そのためバザールが開けない――皆が困っていたところを、たまたまラウレル達勇者一行がやって来た。
 そしてモンスターの巣を見つけ、あっさりと倒してしまったのだった。

 それ以来、プラドの商人達はラウレル達に恩を感じているのだという。

「皆、俺のためを思って……良い人達ばかりなのです。ビオレッタさんもどうか気を悪くしないで」
「大丈夫です、圧倒されただけで……もっとバザールを見てみたいですが、いいですか?」
「もちろんです!」

 そしてラウレルは商人達からの贈り物と同じくらい、彼等から品物を買った。
 布、スパイス、置物……どれもグリシナ村には無いような珍しいものばかりだ。
 二人はたっぷりと時間をかけて、プラドのバザールを隅々まで歩いたのだった。