屋台では、大きな鍋をかき混ぜる店主が腹ぺこの二人を出迎えた。
ぐつぐつと煮える鍋からは嗅いだことのない香りがする。海辺にあるグリシナ村だと、魚の出汁を使ったスープがポピュラーなのだが……知っているスープとはまったく違う。
(それに、スープに入っている肉は何の肉なのかしら……?)
ビオレッタがまじまじと鍋を覗きこんでいる間に、ラウレルは慣れた様子で二人分のスープとパンを買い求めた。そして空いているテーブルを見つけると、二人はようやく席につく。
「さあビオレッタさん、食べましょう」
「は、はい。いただきます」
ラウレルに見守られながら、不思議なスープを口にする。
ひと口飲んだだけで、謎の香りが鼻に抜けて……思わず目で助けを求めた。
「ラ、ラウレル様、これは一体何ですか……?」
「ははっ……この地方で好まれるハーブの香りです。この辺りの人々はハーブの使い方が上手で、大抵の料理にハーブの香りがするんですよね」
「初めての味です、慣れてくると美味しい……」
「よかった! 俺も、ここのスープ好きなんです」
ラウレルはあっという間に食事を済まし、ニコニコとビオレッタを眺めている。
恥ずかしいけれど、無知な自分を馬鹿にしない彼の優しさが、ビオレッタにはありがたかった。
「来てよかったですね、ビオレッタさん」
「えっ、まだ来たばかりですよ?」
「いえ! こうしているとデートみたいで、それだけで夢のようです」
彼がとろけるような瞳でそんなことを言うものだから、スープをすくう手が止まる。注がれる視線を意識してしまってスープを飲むことが出来ない。
いつの間にか赤くなっていた頬を隠したくて、ビオレッタは誤魔化すようにうつむいた。
そんなビオレッタのことも、ラウレルは愛おしげに見つめるのだった。
ぐつぐつと煮える鍋からは嗅いだことのない香りがする。海辺にあるグリシナ村だと、魚の出汁を使ったスープがポピュラーなのだが……知っているスープとはまったく違う。
(それに、スープに入っている肉は何の肉なのかしら……?)
ビオレッタがまじまじと鍋を覗きこんでいる間に、ラウレルは慣れた様子で二人分のスープとパンを買い求めた。そして空いているテーブルを見つけると、二人はようやく席につく。
「さあビオレッタさん、食べましょう」
「は、はい。いただきます」
ラウレルに見守られながら、不思議なスープを口にする。
ひと口飲んだだけで、謎の香りが鼻に抜けて……思わず目で助けを求めた。
「ラ、ラウレル様、これは一体何ですか……?」
「ははっ……この地方で好まれるハーブの香りです。この辺りの人々はハーブの使い方が上手で、大抵の料理にハーブの香りがするんですよね」
「初めての味です、慣れてくると美味しい……」
「よかった! 俺も、ここのスープ好きなんです」
ラウレルはあっという間に食事を済まし、ニコニコとビオレッタを眺めている。
恥ずかしいけれど、無知な自分を馬鹿にしない彼の優しさが、ビオレッタにはありがたかった。
「来てよかったですね、ビオレッタさん」
「えっ、まだ来たばかりですよ?」
「いえ! こうしているとデートみたいで、それだけで夢のようです」
彼がとろけるような瞳でそんなことを言うものだから、スープをすくう手が止まる。注がれる視線を意識してしまってスープを飲むことが出来ない。
いつの間にか赤くなっていた頬を隠したくて、ビオレッタは誤魔化すようにうつむいた。
そんなビオレッタのことも、ラウレルは愛おしげに見つめるのだった。



