ただの道具屋の娘ですが、世界を救った勇者様と同居生活を始めます。~予知夢のお告げにより、勇者様から溺愛されています~

 そして迎えた休日。
 精一杯身支度をととのえて一階へ降りると、すでにラウレルは出発の準備が万端だった。

「ラウレル様おはようございます。もう、出発するんですか?」
「はい! 朝のほうが賑やかなので」
「私、朝食を作ろうと思ったのですが」
「あちらで食べることにしましょう」
「あと荷造りがまだ……」
「荷物はほとんど要りませんよ」
「お金もこれで足りるか……あと私の服装はこれでも変ではないかと……」

 もたもたとするビオレッタを見て、ラウレルがぷるぷると笑いを堪えている。ひどい。

「なんて可愛い……ビオレッタさんが心配するようなことは、だいたいなんとかなります。さあ、行きましょう」

 ラウレルがビオレッタの身体を優しく抱き寄せると、急にまばゆい光が二人を包んだ。

「眩しいから、目をつぶっていて」

 身体の周りを風が巻き上がり、桃色のスカートがひるがえる。ビオレッタはわけも分からぬまま、彼の腕に掴まりぎゅっと強く目を閉じた。