床にあぐらをかいて座り、真面目な顔をして私を真っ直ぐ見る。

「うん。聞くよ。その前に私も聞きたい事があるの。」

「なんだ?」

「あのね、パパが公園で勇里さんと話してるの、聞いちゃった。勇里さんと知り合いっぽかったけど、そうなの?勇里さんは、本当は勇一って名前なの?」

全部知りたい。だけど、直接勇里さんの口からは聞きたくなくて。

「…聞いてたのか。実は、パパな、その男の事を話そうと思ってたんだ。勇里って、名乗ってるのか。あいつは詐欺師だ。だから別れなさい。」

…詐欺師。じゃあ、勇里さんの優しさは全部嘘だったんだ…。愛してるって言ってくれた事も全部。