シートベルトを外し車を出る勇里さん。

私は、今がチャンス!と心の中で叫び、勇里さんの後ろ姿をカメラに収める事が出来た。

「…横顔、なんとしてでも撮りたい。後ろ姿も好きだけど、ってか、足長っ!」

アルバムから勇里さんの写真を眺めてひとりごと。

「髪綺麗だし、足長くて細いし。…好き。」

本音がポツリ。

私、勇里さんが好き。

すーっと、大きく息を吸って、勇里さんの車の匂いを嗅ぐ。

本当にいい匂い。薔薇の香り。

私はシートベルトを外して、さっきまで勇里さんが座っていた運転席にぎゅっと抱きついた。

あたたかい。勇里さんの温もりだ。落ち着く。