勇里(ゆうり)さんが好きなのは男性だもん。私は男性にはなれない。なんて思って落ち込む私は、どうかしてる。

「うん。思った通り。すごく似合うわ。」

私の長い髪に指を通して優しく撫でながら、ふふっと嬉しそうに笑う。その笑顔が本当に綺麗で。

「勇里さん、すごく綺麗だし優しいから、きっとすぐ良い人見つかっちゃうんだろうなぁ。」

…あ、心の声が口に出てしまった。

「アタシはもう、男なんて…。海果(みか)ちゃんが居てくれるから、それ以上要らないわ。」

「…本当?」

「えぇ本当。あなたと一緒だとすごく楽しいんだもの。朝まで女子会してたいくらいよ。お菓子食べながらね。」

本当に、私以外要らないって思ってくれてる?