雪が降る前に退院をして、勇一さんの家にお邪魔した。

アパートの1階。ワンルームで少し散らかってはいたけれど、なんだか落ち着くの。

「足洗ったよ。今はちゃんとしたとこで働いてる。」

周りに言えない仕事をしてたみたいだけど、今は大丈夫みたい。

「ゲームのデバッカーだよ。すごい楽しいんだ。」

デバッカー。
ゲームのバグを見つける仕事。

あなたが楽しそうで良かった。

私は勇一さんを抱きしめる。

「お仕事、好き?」

「うん、すごい好き。」

「良かった。勇一さんの笑顔大好きだよ。」