放課後は毎日、あの路地裏へ寄った。だけど会えるはずもなくて。

住所を教えてくれたけど、行く勇気はない。

冷たく突き放されたら?もしも引っ越していたら?怖かった。何もかもが。

そう言えば、人に言えない仕事をしてるって、一体どんな…。闇バイト的なやつかな。分からない。

「…物語じゃあるまいし、偶然再会しました。なんて事、あるわけないのにね。」

ポツリ呟いて悲しくなった。

「…さよならなんて、言わなければ良かった。」

あんなにも心地良い居場所は、あなただけ。

初夏になると思い出す。あなたとの出会いを。
酔っ払いに絡まれて困っていたら助けてくれたよね。