そんな事を考えてる私は、ほんの少しでも期待してるからだ。

傷付いたような顔をして、それも計画だったら?

初めて出会ったあの日から全て、あなたの演技はすごかった。完全に騙されたもん。役者を目指せるかもね?なんて意地悪を言いたくなるのは、あなたを傷付けたいと思う自分が居るから。

好きだから信じたい。そんな自分と、好きだから突き放したい自分。

私の中で2つの気持ちがぶつかり合ってる。

「…信じられないのは、当然だよね。俺が最低な事したから…。本当にごめん。だけど、別れたって認識、ないから。海果ちゃんも同じなんじゃないの?だから来てくれたんでしょ?」

私はぎゅっとスカートの裾を握り、溢れ出す涙を必死に堪えてる。でももう遅くて。