なんかもう、色々と投げ出してしまいたい。

勇里さんが触れたこの長い髪を切って、勇里さんとの幸せな思い出まで消してしまいたいの。

「…明日、美容室行こっかな。」

胸元まで伸びた長い髪。切る予定なんて全然なかったのに。

急に全てをリセットしたくなった。
失恋すると髪を切るって、何かで言ってた気がするけど、私にとっては当たってる。

学校へ行くと、クラスの女子たちが恋バナで盛り上がってて、私の心はどんどん分厚い雲で覆われていく。

「○○くんと○○ちゃん付き合い始めたって。」

「中学からずっと片想いしてたらしいよ。」

「長年の恋が実ったって事?いいなぁ!」