「おねーちゃん」

「とき?」

「辛いの?」

「…うん」



なんにも言わず、ただただ啜り泣く私の背中をトントンと叩くときの優しさが、ずっと心の中に残っていた。

小学校高学年にもなると悪くなっていく口の中で、昔と変わらない不器用な優しさが、ずっと好きだったんだと思う。


本当、ばかよね。